※この記事は2026年2月28日に「魂の夜明け(別館)」に掲載したものです。
今回からは1925年に刊行された「 Grundlegendes zur Erweiterung der Heilkunst Nach geisteswissenschaftlichen Erkenntnissen 」を元にしたお話です。
ITA WEGMANN (イタ・ヴェーグマン)という方との共著で、おそらく、日本では刊行されていません。
以前にも書きましたが、これから書くことは私の独自の解釈であって原文を日本語に訳したものではありません。
現在、人間は物質世界の探求において活動する場合、自然法則に到達するために、感覚的印象を組み合わせ、分析、思考します。しかし、その思考方法では、知覚的に与えられたものに新たなものを付け加えることは出来ません。
しかし、人生や教育を通して最初に培った思考に固執しなければ、状況は変わります。人はこうした思考を自分自身の中で強化し、強固にすることが出来ます。単純で捉えやすい思考を意識の中心に置き、他の思考をすべて排除し、魂のエネルギーをすべてそのような思考に集中させることが出来ます。筋肉が同じ力で繰り返し鍛えられると強くなるように、魂のエネルギーも、このような訓練を行うことで、思考を司る領域に応じて成長します。
一つの方法として「スプーン」のことを考える訓練をします。どのような「スプーン」でも構いませんが、自分に馴染みのあるものがいいでしょう。そして、5分間、その「スプーン」の事だけを考えるのです。最初はうまくいかないと思います。1分とたたないうちに違う思考が湧いてきて5分後には全く違うことを考えていることでしょう。それでも、毎日繰り返しこの訓練を行うのです。
この訓練を根気よく続けているうちに、人はこれまで経験したことのない思考力の強化を体験します。
高められた精神力を通して人が今知覚するものは、感覚的印象の内容よりもはるかに強烈な現実性を有しています。このように知覚能力の力を拡大することで、人に新たな世界が開かれます。
人は、この世界での知覚を学ぶにつれ、これまで知っていたすべての自然法則が物理世界にのみ適用されることに気づきます。
アントロポゾフィーではこの世界をエーテル界と呼んでいます。
このエーテルの世界では、人間の肉体と並んで存在するエーテル体が知覚できます。
このエーテル体は植物界にも見られますが、鉱物界には存在しないので、物理法則は鉱物界にのみ適用されます。
地球上の植物界が成立しているのは、物理法則に束縛されない物質が存在するからであり、それに反する規則性を帯びることが出来るからです。物理法則は地球から発せられ、エーテル法則は宇宙から流れ込んでいます。植物界の発達は、地球の物理法則と宇宙のエーテル法則の相互作用を認識することで理解できます。
人間のエーテル体も同様です。エーテル体を通して、肉体は物理的法則から解放されます。このようなエーテル的力は人生の初期には成長の力として使用され、その後、成長の活動から解放されると、思考の力となります。人間の通常の思考プロセスが、創造と成長の洗練された力であると考えると、人間の肉体の形成と成長には、精神的な次元が現れると理解できます。
そう考えると、人相学や、手相学は正確に読み取ることが出来るならば、その人の内的成長を知るうえで、非常に有効な手段と言えます。
エーテル界でさらなる思考の訓練を続けていくことで、アストラル界に到達できます。
人間はアストラル体を動物界とを共有します。
人間は直観によってアストラル界で知覚を得ることによって、この世界での「私(自我)」を認識します。
睡眠中、人間の肉体とエーテル体は物質界とエーテル界に留まりますが、それは植物存在とは同じ状態ではありません。それらはアストラル体と自我の影響を内包しています。そして、この影響がなくなった瞬間に覚醒が起こります。
人間は、「肉体」・「エーテル体」・「アストラル体」・「自我」から成り立っています。肉体とエーテル体だけでは植物と同じです。肉体とエーテル体とアストラル体だけでは動物と同じです。そこに自我が加わり、人間としての活動が可能です。しかし、アストラル体と自我は物質界とエーテル界では直接活動できません。そのために、アストラル体は物質界とエーテル界において自らの組織を構築しなくてはなりません。自我もまた、自我組織に関して同様のことをしなくてはなりません。
人体を理解するためには、物質体、エーテル体、アストラル体、そして自我がその中でどのように機能するかを知る必要があります。自我が主に活動する器官もあれば、自我の影響がほとんどなく、物質的組織が優勢な器官もあります。
人間の健康を理解するには、「肉体」・「エーテル体」・「アストラル体」・「自我」のバランスを考慮しなくてはなりません。これらのバランスが崩れた状態にあるときに、人間は病気であると言えます。そして、人間の高次組織が肉体にどのように影響するか、そして地上物質が高次組織の影響圏に入るとどのように変化し働くかを認識することによって、病気の治療法を検討することが出来ます。
今回はここまでです。